樺太国有未開地特別処分令  明治44年12月勅令第二百九十号


第1条  樺太国有未開地の売却又は貸付は左の各号の一に該当するときは随意契約に
    依ることを得

     一.鉱業、漁業又は林業を営む為必要なる土地を其の事業者に売却又は貸付するとき
     二.樺太長官の定むる重要生産品製造業者に対し其の事業の為又は之に直接付随して
      必要なる土地を売却又は貸付するとき
     三.素地の儘使用せむとする者に貸付するとき

第2条  未開地を素地の儘使用せむとするときは無償にて貸付することを得

第3条  未開地は評定価額同一以上の土地と交換することを得

第4条  未開地の貸付は左の期間を超えることを得す

     一.有償貸付   十五年
     二.無償貸付   十年
 
     前項の期間は造林又は泥炭地の開墾に限り二十年とす

第5条  拓殖上の必要に依り未開地中特に指定したる区域を特定地とす
    特定地の地域は之を告示す

第6条  特定地の売却又は貸付は随意契約に依ることを得

第7条  特定地は耕作、牧畜、及び之に直接付随の用途に供する場合に限り無償にて
    貸付することを得

第8条  特定地の売却又は貸付は一人に付左の面積を超ゆることを得す

     一.耕作及之に直接付随の用途に供する土地   九萬坪
     二.牧畜及之に直接付随の用途に供する土地   五拾萬坪
     三.其の他の事業に供する土地         壱萬坪

     会社又は組合に対しては前項の面積を五倍迄増加す

第9条  特定地にして耕作、牧畜及之に直接付随の用途に供する為貸付したるものは道路、
    溝渠等公用に供する部分を除くの外左の条件に従い請求に因り之を譲興す但し貸付期間
    満了後一年を経過したるときは之か請求を為すことを得す

     一.耕作及之に直接付随の用途に供する貸付地に在りては其の事業半以上成功し且其の
      事業上必要と認むる牛馬を所有すること
     二.牧畜及之に直接付随の用途に供する貸付地に在りては其の事業全部成功したること
     三.貸付後一年内に其の土地又は其の付近に住居を構えたること
     四.認許を受けすして一年中六月以上又は引続き一月以上其の居住地を離れさりしこと

第10条 左の場合においては土地の売却、譲興、又は貸付の契約を解除することを得

     一.第一条第一号又は第二号の規定に依り売却又は貸付したる土地を三年内に豫定の用途に
      供せさるとき
     二.第一条第三号の規定に依り貸付したる土地を一年内に豫定用途に供せさるとき
     三.特定地の貸付を受けたる者一年内に豫定の事業に著手せさるとき
     四.特定地の貸付を受けたる者其の貸付地を放棄したるとき
     五.売却、譲興又は貸付の際定めたる条件に違背したるとき

第11条 未開地の売却又は有償貸付の契約を解除したる場合においては既納の売却代金又は貸付料金
    は之を還付せす

第12条 特定地貸付の契約を解除したる場合において既に成功したる部分あるときは拓殖又は土地整理
    上支障なしと認むる場合に限り成功地の一部又は全部を其の借受人に売却又は譲興することを得

第13条 未開地の売却、譲興又は貸付の契約を解除したる場合において既に伐採したる樹木あるときは
    前条の規定に依り売却又は譲興する土地の区域内に属するものを除くの外其の相当代金を弁償せ
    しむへし借受人か自己の便宜に依り其の貸付地を返還したるとき亦同し

第14条 拓殖又は土地整理上必要あるときは既に開墾せられたる部分を含む土地といえども本令により
    之を管理及び処分することを得

第15条 未開地に関しては本令定むるものの外樺太官有財産管理規則に依る
  
     附則

   本令は公布の日より施行す
   樺太官有財産管理規則第十八条乃至第二十条の規定は当分の内未開地に之を適用せす