樺太に関する建白書(樺太放棄論)


明治6年11月

臣清隆頓首再拝伏テ惟ルニ、樺太ノ地タル窮陰冱寒絶域ノ孤島ニシテ
(中略)
彼地中外雑居ノ形勢ヲ視ルニ、僅カニ数年ノ安ヲ保ツ可クシテ永ク
其親睦を全スル能ハズ
北海道ノ近ヲ捨テ、独リ樺太ノ遠ニ従事スルハ、猶遠ニ行クニ近ヨリ
セザルガ如シ
(中略)
力ヲ無用ノ地ニ用テ、他日ニ益ナキハ寧ロ之ヲ顧ミザルニ若カズ。
故ニ之ヲ棄ルヲ上策ト為ス。
便利ヲ争ヒ紛擾ヲ致サンヨリ、一着ヲ譲テ経界ヲ改定シ、以テ雑居
ヲ止ムルヲ中策ト為ス。
雑居ノ役ヲ持シ、百方之ヲ嘗試シ、左支右吾遂ニ為スベカラザルニ
至テ之ヲ棄ツルヲ下策ト為ス。
(中略)
樺太ノ如キハシバラク忍デ之ヲ棄テ、彼ニ用ウルノ力ヲ移シテ、
速ニ北海道ヲ経理スル者、今日開拓ノ一大急務ニシテ、抑又我国ノ
富強ニ関スル所ナリ。
千八百六十八年ニ当リ露国所有メリケン北方ノ地大約十九万八千平方
里、其土人四万人ヲ併テ以テ米国ニ売与セシモ、蓋シ善ク其得失ヲ
預算シ、謀アリ、断アリト請ベシ。







黒田殿。領土というのは国家の血肉なんだよ・・・・