樺太移住民汽車電車汽船の特別取扱方  大正10年5月内閣告示第三号


第1条  樺太移住民にして汽車、電車、汽船の特別取扱方を受けむとする者は居住地を
    管轄する北海道庁、同支庁、府県庁、府県支庁、府県支庁出張所、市区役所若は
    警察署、樺太庁移民取扱所、樺太庁より派遣したる移住民取扱員又は地方長官に
    おいて指定したる町村役場に申出て割引証の交付を受けさるものは旅行先の当該
    官公署樺太移住民取扱所又は樺太庁より派遣したる移住民取扱員に其交付を請う
    こちを得
第2条  前条の割引証を携帯する者は移住の順路に依る往路に限り左の区別に依り無賃
    又は割引をもって乗車、乗船することを得但し急行料金を要する急行車船又は上
    級の車船室に乗ることを得ず

    樺太庁所轄の鉄道ならびに之と連帯運輸の取扱を爲す樺太地方鉄道及軌道  無賃

    鉄道省所轄の鉄道汽船(鉄道省線)ならびに之と連帯運輸の取扱を爲す
    地方鉄道軌道又は汽船                         5割

    藝備鉄道株式会社                           5割
    日本郵船株式会社の汽船(函館、樺太線)                5割
    大阪商船株式会社の汽船(内地航路各港相互間但し沖縄方面航路を除く)  5割
    北日本汽船株式会社の汽船                       5割
    函館商船株式会社の汽船                        5割
    尼崎汽船株式会社の汽船                        5割
    千島汽船株式会社の汽船                        5割
    藤山汽船部の汽船                           5割
    佐々木漁業汽船株式会社の汽船                     5割
    宇輪島運輸株式会社の汽船                       5割
    島谷汽船株式会社の汽船                        5割
    直江津汽船株式会社の汽船                      3割引
    新潟汽船株式会社の汽船                     2割5分引

第3条  鉄道省線及之と連帯運輸の取扱を爲す鉄道軌道又は汽船(連帯線)の各駅間に
    付いては連絡割引乗車船券を発売す

第4条  鉄道省線においては移住民の荷物輸送は左の区別に依り之を取扱ふ連帯線にお
    いても省線と荷物の連帯運輸を爲す場合亦同し

         一、手荷物は無賃制限斤量を超過する分に対しては普通運賃の五割引とし最低
       運賃を金十五銭とす
     二、家具及び農具の類は纏めて大貨物扱いとし普通運賃の二割引とし其の最低
       運賃を金二十銭とす

           樺太庁所轄の鉄道ならびに之と連帯運輸の取扱を爲す樺太地方鉄道及軌道ならび
    に前項以外の鉄道及汽船における手荷物制限外斤量に対する運賃は第二条の例による

第5条  移住民の荷物には住所氏名及届先駅を記載したる強靭なる荷札を附着するの外
    更に左の如く記載したる白布四つ折りとし荷物雨端に蝶形に結ひ付くるものとす

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     何駅行移住民荷物何箇ノ口何号
     (樺太)何郡何村字何行
                 何府県何郡何村

                     何駅  何  某
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第6条  割引証は避くへかさらさる事故に依り減失したる場合の外再ひ之を交付せす
    割引証を所持して乗車して乗車船したる移住民か移住の途中移住に関し樺太庁
    同支庁、同支庁出張所又は樺太移住民取扱所の指示を受けんか爲其の所在地に
    降車船したる場合において移住地を變更し又は乗車船切符の通用期限を経過し
    たる時は更に移住地までの割引証の交付を受くる事を得

第7条  当該官吏において樺太移住民にあらすして樺太移住民乗車船賃割引証を携帯
    する者を発見したるときは其の割引証を没収す