家畜貸付規則  大正7年4月樺太庁令第6号


第1条  本則において家畜と稱するは牛馬を謂う

第2条  樺太に移住し固有未開地の貸付を受け又は土地を所有し農業を営む者には本則に
    依り家畜を貸付することあるへし

第3条  家畜の貸付を受けむとする者は第1号書式に依り所轄樺太庁支庁長に出願すへし

第4条  家畜貸付の許可受けたる者は第2号書式の請書を差出し家畜を受領すへし
    家畜の授受は所轄樺太庁支庁長の指定する期日及場所において之を爲す家畜を返還し若は
    償還するとき亦同じ

第5条  貸付すへき家畜の年齢は牛は満一歳以上馬は満二歳以上とす但し時宜に依り該年齢に
    達せさるものといえども貸付することあるへし

第6条  家畜の貸付期間は五年以内とす但し前条但書の場合においては該年齢に達するまでの
    期間を延長すること得

第7条  貸付したる家畜は借受人自ら飼養管理すへし但し己むを得ざる事由あるときは所轄
    樺太庁支庁長の認可を受け牛の飼養管理を一時他人に委託することを得

第8条  貸付したる家畜疾病に罹りたるときは直に獣医の診断治療を受け牛の病状を所轄
    樺太庁支庁長若は支庁出張所長に届出つへし但し一時の軽症に付ては此の限りに在らす

第9条  所轄樺太庁支庁長は貸付したる家畜の飼養管理に関し必要と認むる事項を指示し
    又は官吏、吏員をして之が検査を爲さしむることあるへし

第10条 相続に因り家畜の貸付に関する権利義務を承継したるときは相続開始後一月内に
    戸籍謄本を添付し所轄樺太庁支庁長に届出つへし

第11条 貸付したる家畜は左の各号の一に該当する場合に限り借受人の所有に帰属す

     一、貸付したる牝畜より生産したる仔畜をもって償還したるとき但し牝馬の貸付を
      受けたる者は仔牝畜の生産なき場合に限り仔牡畜をもって償還することを得
     二、前号に該当する仔畜の生産なき爲之に代るへき牝畜をもって償還したるとき
     三、牡馬の貸付を受け二年を経過したる後之に代るへき牝畜をもって償還したるとき
      前項の仔畜及代畜は牛は満一歳以上十六歳未満馬は満二歳以上六歳未満のものにして
      官の検査に合格することを要す但し該年齢に達せさるものといえども特に償還に充て
      しむることあるへし

第12条 貸付したる家畜より生産したる仔畜は借受人の所得とす

第13条 貸付したる家畜分娩し若は廃疾に帰し又は斃死其の他亡失したるときは五日以内に左の
    事項を具しに届出つへし但し廃疾、斃死の場合においては公獣医の
    診断書又は検案書を添付すへし
    
     一、分娩に付いては仔畜の頭数、性、毛色、特徴、生年月日及種牡畜の各号
     二、廃疾、斃死其の他亡失に付いては其の事由及年月日

第14条 家畜の貸付を受けたる者又は貸付出願中の者左の各号の一に該当するときは五日以内に
    本人、家族又は保証人より所轄樺太庁支庁長に届出つへし

     一、本籍、住所、氏名に異動ありたるとき
     二、隠居、死亡、失踪又は居住不明となりたるとき

第15条 借受人左の各号の一に該当するときは所轄樺太庁支庁長の指定する価格を賠償すへし
    但し時宜に依り相当の家畜をもって賠償せしむことあるへし

第16条 借受人左の各号の一に該当するときは所轄樺太庁支庁長は指定貸付を取消し家畜を
    返還せしむることあるへし此の場合において借受人は損害の賠償を請求することを得す

     一、借受人第二条の資格を喪ひたるとき  
     二、借受人本則又は貸付の条件に基く義務の履行を怠り若は指示に違反し又は検査を
      拒みたるとき
     三、官において必要と認むるとき

第17条 貸付したる家畜の牽付治療等に要する費用は纏て借受人の負担とす

   書式省略